医療福祉の税務情報
医療福祉の税務情報
文書作成日:2019/05/15


 従前より、医療用機器を購入して事業に利用した場合には、一定の税の特典が設けられています。この特典については、平成31年度税制改正により対象資産を一部見直しの上、2年延長されました。そこで今回は、平成31年(2019年)4月1日からのこの特典の適用について、どのような資産が見直されたのか、確認しましょう。


 次の要件すべてに該当している事業者が、対象となる医療用機器等を購入してその事業に使用した場合には、通常の減価償却費に加え、その医療用機器等の取得価額の12%を特別償却費として上乗せして早期費用化することができます。

  • 青色申告書を提出している個人または法人であること
  • 医療保険業を営んでいること


 ちなみに上記医療保険業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類の分類を基準として判定することとなっています(措通12の2-4、45の2-4)。つまり、MS法人を利用して医療用機器等をリースしている場合に、MS法人が取得した賃貸用医療用機器等については、上記特典を適用することはできません。

 この制度を利用した医療法人と適用総額は、財務省作成の「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書(平成31年2月国会提出)」によれば、過去3年度において次のとおりです。

適用年度 適用法人数 適用総額(億円)
平成27年度 734 21
平成28年度 702 22
平成29年度 676 22


 また、厚生労働省による税制改正要望によれば、個人事業者の過去3年度の適用件数はいずれも240件弱で、適用総額としては7億円程度との記載もあります。


 この制度については、過去に何度も対象資産が見直された上で制度が延長されていますが、今般の平成31年度税制改正においても対象機器等に見直しが行われた上、適用期限が平成33年(2021年)3月31日まで延長されています。

 平成31年度税制改正では、医療用機器等の特別償却について、この従来からの制度の他、次の2つの医療用機器等に関して措置が新設されています。この2つの措置については、別途ご案内することとし、今回は従来からの適用分について、その対象となる資産がどうなったのか、について、以下にご案内することといたします。

  1. 医療提供体制の確保に資する勤務時間短縮用設備
  2. 構想適合病院用建物等の取得等


 従来から適用されている、対象となる医療用機器等とは、『取得価額500万円以上の高額医療用機器等』になります。

 この場合の高額医療用機器等とは、高度な医療の提供に資するものとして指定をされたもの、又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第5項等に規定する高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器で厚生労働大臣の指定を受けてから2年以内のものに限られています(措令6の4他)。この“高度な医療の提供に資するもの”としての指定は、税制改正にあわせて厚生労働大臣が財務大臣と協議し、厚生労働大臣が告示します。


 今般行われた告示第150号により、別表1、2、3、5及び6が改正されています。各別表において新設・削除された資産を以下ピックアップしました。ご参考ください。


(別表1) 主にがんの検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
  1. 超音波式角膜厚さ・眼軸長測定装置
  2. 内視鏡用ビデオカメラ
  3. 自動細胞診装置
  4. 自動染色装置
削除:
  1. 超音波式角膜厚さ計
  2. 眼科用超音波画像診断・眼軸長測定装置
  3. 超音波式角膜厚さ計・眼軸長測定装置
  4. 超音波装置用シンクロナイザ

(別表2)主に心臓疾患の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
  1. 経皮心筋焼灼術用電気手術ユニット
  2. 循環補助用心内留置型ポンプカテーテル用制御装置
  3. ホルタ解析装置
  4. 心臓マッピングシステムワークステーション

(別表3)主に糖尿病等の生活習慣病の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
  1. 可搬型手術用顕微鏡(眼科医療又は歯科医療の用に供するものに限る。)
  2. 顕微鏡付属品

(別表5)主に歯科疾患の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
  1. 炭酸ガスレーザ
  2. ネオジミウム・ヤグ倍周波数レーザ
削除:
  1. ダイオードレーザ
  2. 罹患象牙質除去機能付レーザ
  3. 歯科矯正用ユニット
  4. 歯科小児用ユニット
  5. 可搬型手術用顕微鏡(歯科医療の用に供するものに限る。)

(別表6)異常分娩における母胎の救急救命、新生児医療、救急医療、難病、感染症疾患その他高度な医療における検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
  1. 質量分析装置
  2. 血液培養自動分析装置
  3. 微生物分類同定分析装置
  4. 微生物感受性分析装置
  5. 微生物培養装置
  6. 手術用ロボット手術ユニット
  7. 能動型上肢用他動運動訓練装置
削除:
  1. 混合ガス麻酔器
  2. 医用ガス調整器
  3. ポータブル麻酔ガス送入ユニット
  4. 吸入無痛法ユニット
  5. 電気麻酔用刺激装置
  6. 麻酔ガス送入ユニット
  7. 高周波病変プローブ
  8. 高周波病変ジェネレータ


 なお、平成31年度税制改正により、高額医療用機器等であっても以下の4つについて、構想区域等に所在する病院において医療保健業の用に供する場合には、一定の要件を満たすものに限られます(告示第151号)。この点は、平成31年度税制改正により追加された要件です。あわせてご確認ください。
  1. 超電導磁石式全身用MR装置
  2. 永久磁石式全身用MR装置
  3. 全身用X線CT診断装置(4列未満を除く。)
  4. 人体回転型全身用X線CT診断装置(4列未満を除く。)


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